夏祭りの裏側にて


「ん」
夜の海辺を巡回していたルドルフは、ずい、と唐突に突き付けられたビニール袋を見つめて困惑気味に尻尾を揺らした。
文字にすれば一文字。声にしても一音。そんな必要最低限な言葉すら削ぎ落した一言と共に差し出された袋からは、肉の芳ばしい香りが漂っていた。
「……くれるのか?」
「美味かったぞ」
微妙に会話が成り立っていない。が、これは肯定だろう。無表情のまま押し付けてくるナリタブライアンに、シンボリルドルフは苦笑しながらそれを受け取った。
「君から差し入れをもらうとは思わなかったな、ブライアン。何とも君らしい選定だが」
「姉貴が報告に行くなら持っていけとうるさかったんだ」
中に入っているフランクフルトと豚肉の串焼きを見つめながらそう言えば、彼女はバツが悪そうにそっぽを向いた。
なるほど、今年はビワハヤヒデと一緒に巡っていたのか。肉と一緒にペットボトルが入っているのは、おそらく姉からの配慮だろう。
今宵は付近の神社で、地元民による夏祭りが開催されていた。この祭りは合宿中の生徒たちには絶好の息抜きの機会であり、毎年ほぼ全員が参加している。
そして彼女らのウマスタは今日から翌日にかけて、祭りを心から楽しむ姿で埋め尽くされるのも恒例だ。その溢れんばかりの笑顔を眺めて、安らぎと幸福を得る自分も例年通りになりつつある。
ビワハヤヒデのウマスタもあとでチェックしておこうか。そんなことを密かに考えつつ、ルドルフは袋から視線を上げる。
「ありがとう。ビワハヤヒデにも礼を言っておいてくれ。それで、何か異常は?」
「特には。新入生っぽい奴が記者に詰め寄られていたのを見かけたが、それはエアグルーヴが処理していた」
「ふむ。エアグルーヴなら問題なく対処してくれたのだろうな。目に浮かぶようだよ」
「嬉しそうだな、アンタ」
ふんと鼻を鳴らしてそう指摘してきたブライアンに、ルドルフは当然だと屈託なく笑う。
「身内が優秀だと嬉しいものだよ。君の優しさを耳にするのと同様にね」
「ハァ?」
「先ほど、マヤノトップガンがやってきて君を探していたよ。妙な輩に絡まれていたところを助けられたからお礼がしたい、とね。それから道に迷っていたオグリキャップを、タマモクロスたちのところまで送っていったそうじゃないか」
にこにこと彼女の活躍を語っていけば、葉を加えていた口元が歪んだ。
「チッ……余計なことを」
「引き続きよろしく頼むよ。もちろん、祭りの方も楽しんでおいで」
労いも兼ねてぽんと軽く肩を叩く。ブライアンは仏頂面のまま何も言わなかったが、きちんと遂行してくれることだろう。
存外面倒見がいいのは、彼女の為人に触れた誰もが知っていることだ。
「アンタは……ああ、聞くだけ野暮だな」
「うん?」
「何か問題が起きたら連絡する。それじゃあな。アンタも監視役お疲れ」
最後に引っかかりを覚える言葉を落とされる。その意味を知りたかったが、ビワハヤヒデを待たせてしまうのも忍びない。
「ああ、行ってらっしゃい」
多少気になりつつも、ひらひらと手を振って神社に戻っていくブライアンをルドルフはそのまま見送った。


「カイっチョー!」
「ちょっと、お待ちなさいテイオー!」
隠れてオーバーワークをしていた生徒を注意したり、泣きながら浜辺を彷徨っていた子どもを生徒会役員と連携して親元へと案内したり。そのように見回りを続けながらもいつもよりゆったりとした時間を過ごしていると、溌剌とした声が耳まで飛んできた。
振り返れば、なかなかの走りでこちらへと駆け寄ってくる二つの小さな影が見えた。ぶんぶんと大きく手を振るトウカイテイオーとあとを追いかけるメジロマックイーンの姿を認めて、ルドルフは表情を緩めた。
「テイオー、それにメジロマックイーンも。二人で祭りに参加していたのだな」
「うんそう! 最初はスカーレットとウォッカも一緒にいたんだけど、途中で競争はじめちゃってさー」
「こんばんは、ルドルフ会長。いつものことながら皆さんのお目付け役、お疲れ様ですわ」
ぴょんぴょんと楽しそうに跳ねるテイオーの傍らで、メジロマックイーンは礼儀正しい言葉を連ねる。
深々とお辞儀をするメジロ家の御令嬢に、ルドルフはありがとう、と目を細めた。
「何、これも会長としての務めだからね。それより、君たちは夏祭りを楽しめたかな?」
わかりきったことを尋ねてみれば、二人は心から楽しそうに笑った。揃って頷いたところが何とも微笑ましい。
「そうそう聞いてよカイチョー! さっき二人で射的をやったんだけどね、マックイーンてば人形の首をぽーんて吹っ飛ばしちゃって──」
「ち、ちょっと! それを言いふらすんじゃありませんわ!」
首が飛ぶとはどういうことだろう。とりあえずそう滅多に起こることではないのだけはわかる。
「ところで、どうしてここに? 何かあったのかな?」
「あ、そうだ。はいこれ、カイチョーにお土産!」
そう言って元気よく白い袋を差し出された。さっきも似たようなことがあったな、などと既視感を覚えていると、「中身は焼きそば三種です」とメジロマックイーンが言い添えてくれた。屋台の焼きそばはそんなに種類が豊富なのか。
「ゴルシの焼きそば、ほんっとに美味しいんだよー! カイチョーは食べたことある?」
テイオーの言葉に、いや、と首を振る。そもそも焼きそば自体食べたことがない。いわゆるジャンクフードというものに手を出した経験がほぼ皆無なのだ。
というより、とルドルフは袋を受け取りながら苦笑いを浮かべた。
「ゴールドシップはここでも焼きそばを売っているのか……いつの間に出店登録までこぎつけたのやら」
「どうも海の家の店長と意気投合したらしいですわ……。本当に、合宿中まで何をやっていらっしゃるのだか……」
メジロマックイーンも呆れたように耳を伏せて肩を落としている。流石はゴールドシップといったところか。あのエアグルーヴが常々頭を悩ませている難敵なだけはある。
「いーじゃんいーじゃん! それでこそゴルシってカンジだし。それより早く食べようよー! カイチョーは何味がいい? 甘辛? 激辛? ボクは甘々!」
「私も甘々が……! あ、い、いえ。まずはルドルフ会長からお選びください」
詰め寄るようにして袋を覗き込んでくる二人に思わず気圧される。メジロマックイーンがはっと我に返って恥じらうように身を引くが、ちらちらと焼きそばから視線が外れない。
どうやら彼女もまた、ゴールドシップの焼きそばに魅了されたひとりらしい。落ち着きなく尻尾を振る少女に、ルドルフはゆるりと口端を吊り上げた。
「いや、君たちが先に選ぶといい。私はどれでもかまわないから」
言った途端、二人の目の色を変わる。目を丸くしているうちに、威勢のいい声と共にじゃんけん大会が突如として始まった。
その表情があまりにも迫真に迫っていたものだから、ルドルフはうっかり焼きそばを潰してしまいそうなほどに笑ってしまった。
予想に違わず、ルドルフの手元に残ったのは激辛焼きそばだった。その名の通り舌が痺れるほどに辛く、先程ブライアンからもらった水が非常に役に立った。


「会長、こんな遅くにトレーニングですか?」
テイオー達が再び神社へと戻っていき、軽くジョギングをしていると再び声を掛けられた。
足を止めると、優雅に歩く短い青鹿毛のウマ娘と褐色の肌に溌剌とした表情を乗せたウマ娘が並んでやってきていた。栗東寮と美浦寮の寮長二人だ。
「やあ、フジキセキにヒシアマゾン。いや何、少し腹ごなしに走っていただけさ」
「なんだい? 会長が夜食をつまむなんて珍しいね」
「ふふ、ありがたいことに、先ほど差し入れをいただいてね。屋台料理というのもなかなか良いものだ」
何より自分を慮って差し入れをくれた、その真心が嬉しかった。彼女たちの気遣いを思い出し、自然と目が細まる。
「へーえ? ますます珍しいじゃないか」
「けど、それなら丁度良かった」
互いに顔を見合せて頷く二人に、ルドルフは首を傾げる。丁度良かったとはどういうことだろう。
疑問符を浮かべているうちに、フジキセキがルドルフの目の前で恭しく頭を下げた。
「麗しき我らが会長さん。食後のデザートに、こちらは如何ですか?」
言いながら彼女はぱちん、と指を鳴らす。刹那、その手の中から光沢感のある真っ赤な球体が現れた。
大きな飴玉のようなそれを、ルドルフは目をしばたいて凝視する。
「これは……?」
「りんご飴ですよ。小さなリンゴをシロップでコーティングした、屋台の名物菓子です」
「アタシからはチョコバナナだ! こっちも鉄板だね。バナナにただチョコを掛けただけなんだけど、祭りで食べると妙に美味いんだよねぇ」
ヒシアマゾンもからからと笑って、透明な袋に包まれた串を袋から取り出す。竹串にはチョコレートの掛けられたバナナが刺さっており、カラースプレーやアラザンなどで可愛らしく飾り立てられていた。
各々から手渡された菓子をまじまじと見つめる。やがてルドルフは耳を揺らして笑み崩れた。
「っ、ははは! まさか君たちからももらえるとは……! 祭りの見回りにまで協力してもらって、本当に至極恐悦の至りだよ」
今日は一体どうしたことか。予期していなかった幸運が次々とこの身に舞い降りてきて、明日は散々な目に遭うのではないかとらしくもなく考えてしまう。
晴れやかな面持ちで、ありがとう心から礼を述べる。彼女たちは頭を撫でたり頬をかいたりと、それぞれが照れたような仕草をしながら口を開いた。
「これくらいで大袈裟だねぇ。気にしないどくれよ。寮長としてやってる仕事と変わんないんだしさ」
「それに会長には、合宿中の見回りをいつも手伝っていただいてますから。もちつもたれず、ですよ」
彼女らの言葉に、そうか、とルドルフは噛み締めるように笑みを深めた。
本当に、つくづく自分は恵まれている。自分が生徒会長としてやっていけるのも、生徒たちを更に細やかにサポートしている彼女たちのおかげなのだ。
「……ああ、そうだ」
そうしみじみと実感していたとき、ふいにあることを思い出した。
「見回りと言えば、少し前に浜辺でトレーニングをしている生徒を見かけたよ。明らかにオーバーワークだったから、説得して帰らせたのだが……一応、ちゃんと戻って休んでいるか確認してほしい」
事情を話してから生徒の名を告げる。渋い顔をしたのはヒシアマゾンだった。
「あー、そりゃウチの寮の子だね。合宿前から切羽詰まってたんだ。やり過ぎは身体に毒だって、口酸っぱくして言ってんだけどねぇ……」
「まぁ、そういうポニーちゃんほど、人一倍強がりで頑張り屋さんだからね」
しょうがないねぇまったく、とヒシアマゾンは肩を竦める。ルドルフもフジキセキと共に苦笑いをこぼした。
結果が出せずに焦る気持ちは、この学園の生徒ならばほぼ全員がぶつかる壁だ。どこに結果を見出すかは人それぞれではあるが、ルドルフたちも大なり小なりそういった焦燥感や無力感を味わってきた。
故に多少の無茶であれば目を瞑るのだが、無闇やたらに自分を痛めつけるような行いは見逃せない。それが原因で怪我をしてしまったら元も子もないのだ。それを最も後悔するのが、故障した本人なのだから。
「それじゃ、会長。アタシらもそろそろ宿に帰るよ」
「ああ、気を付けて」
合宿所へと戻っていく二人に手を振って見送る。歩み寄ってきたと同じように並んで戻っていく姿をなんとなしに眺めていると、ふいにフジキセキが立ち止まった。
「おっと、忘れるところだった」
会長、と突然踵を返した彼女に手を取られる。再びぱちんと軽い音が聞こえたかと思えば、いつの間にか手に持っていたりんご飴が二本に増えていた。
「もう一本おまけです。りんご飴はすぐに溶けることはありませんから、あとでゆっくりと食べてください」
彼女の意図が理解しきれず、ルドルフは首を傾げる。するとフジキセキはにっこりと微笑み、そのまま顔を耳元に寄せてきた。
「ご存知ですか? りんご飴は、フランスでは『ポム・ダムール』という名で親しまれているんですよ」
「え……」
さざ波の合間にそう囁き、それではいい夜を、と舞うように離れてヒシアマゾンの元へと走り去ってしまった。
ルドルフは珍しく呆然としながら、小さくなっていく彼女たちを眺めていた。二人の姿が消えた頃、ようやく手元の赤いリンゴを見つめる。
ポム・ダムール。直訳すれば『愛のリンゴ』となる。
実際の意味は別にあるのかもしれない。しかし、今のフジキセキの口振りだと。
「……参ったな、見抜かれていたのか」
じわじわと目元に熱がのぼる感覚がして、思わず手の甲で頬をこすった。


少し経ったあと、ヒシアマゾンから注意した生徒が林の方でトレーニングしていたと連絡が来た。脱水気味でふらついているところを発見し、水分を補給させながら叱り飛ばしてやったという。
やはりか、と憂いに眉を潜め、ルドルフは監視塔の手すりに寄りかかりながら液晶のキーボードを打つ。容態はどうかとメッセージを送ると、返信はすぐに返ってきた。
ひとまず保健医に診てもらったところ問題はなかったこと、彼女も流石に深く反省したらしく、今は自主トレメニューを一緒に考え直しているところだという。
ヒシアマゾンが面倒を見ているのであればもう大丈夫だろう。ほっと息をつき、労いと感謝の言葉をチャットに打ち込んだ。
「コラぁー! そこはライフセーバーの人しか乗っちゃいけないのよ!」
その時、背後から大きな声が真っ直ぐに飛んできた。
慌てて謝罪しながら振り返って、直後にルドルフは脱力した。
「……何だ。マルゼンスキー、君か」
「うふふ、びっくりしちゃった? めんごめんご!」
明るい笑みを浮かべて両手を合わせるマルゼンスキーに、ルドルフは苦く笑って首を振る。
「いや、君の言い分が正しい。生徒会長にあるまじき愚行だったよ」
「んもう、単なるジョークだったのに。相変わらず真面目ちゃんなんだから」
唇を尖らせて文句を言う彼女を軽く流しつつ、ルドルフは監視塔からひらりと飛び降りる。危なげなく着地すると、柔らかい砂に靴が少し埋まった。
足首を振って砂を払ってから膝を伸ばす。そして顔を上げたところで面食らった。
綿だ。顔ほどの大きさもある、綿のようにふわふわした何かが目の前に現れていた。
「はい。マルゼンお姉さんから頑張ってるルドルフちゃんに、甘くてドッキリなプ・レ・ゼ・ン・ト♪」
上機嫌な声に促されるままに受け取ってしまう。異様に色とりどりのそれは、上から覗けば花の形をしていた。
「どう? 今どきはこーんなカラフルでハイカラなわたあめが売ってるのよ」
「すごいな、何とも芸術的な……これは菓子なのか?」
「あら、もしかして食べたことない感じ? それなら尚更食べてみなくっちゃ!」
ほらほら、と手首を掴まれてふわふわの花が迫ってくる。だが、正直どう食べたらいいかわからない。
戸惑いを露わに、とりあえずそのわたあめとやらを指でちぎり取ってみる。すると手に触れた個所から徐々に溶けていくではないか。
慌てて口に入れれば、喉が焼けるような甘さに目を白黒させた。
「甘、いな、随分と……」
食べてみたらよくわかる。これは砂糖のみを原料に作った菓子だ。
熱で溶ける性質を利用したのだろう。食紅などで着色し、液体化し糸状になった砂糖を素早くからめとって形を整えた、といったところか。なかなか面白い発想だ。
だが、指先が非常にべたつく。どうやら手を使って食べるものではなかったらしい。
思わずマルゼンスキーを非難がましく見つめた。こうなると知っていただろうに、彼女は何も言わなかったのだ。
「そんなに睨んじゃイヤン。何事も経験が大事っていうでしょ」
「否定はしないが……同様に事前の注意喚起も重要だと思うぞ」
ため息まじりに不平をこぼし、ルドルフはポケットから使い捨ておしぼりを取り出す。テイオーが余分に置いていったそれで手を拭いながら、しかし、と困り顔でわたあめを眺めた。
「これは、私一人ではとても食べきれそうもないな」
量自体は問題ではない。が、何といっても甘すぎる。テイオーほど甘党ではないルドルフには、少々厳しい甘さだ。
もらっておいて申し訳ないが、と窺うように見ると、マルゼンスキーはくすくすと笑声を立ててルドルフの肩を叩いた。
「やぁね。あの子と半分こすればいいじゃない。どうせこのあと来るんでしょう?」
当然のように言われ、ぴくりと指先に力が入った。目敏く気付いた彼女の瞳が、愉快そうに細められる。
ルドルフは微笑みながらも眉が下げずにはいられなかった。降参だと言わんばかりに耳まで垂れたのがわかる。
「……やはり君にもお見通しか」
「も?」
「先程、フジキセキにもね」
あらま、とマルゼンスキーは目を丸くする。けれどすぐに口元を緩めて、おかしくてたまらないと言ったように笑いだした。
「ふふ、そりゃそうよね。あなたもあの子も、今日は妙にそわそわしちゃって可愛いんだもの!」
そうして笑い混じりに繰り出されたのは、ルドルフとって予想外の言葉だった。



潮騒の隙間を縫うようにして、太鼓の低く軽快な音色が響いてくる。
宴もたけなわ、といったところか。スマートフォンで時刻を確認すれば、あと一時間もしないうちに祭りが終わる頃合いだった。
ルドルフは海の家の階段に座りながら、そのままチャットアプリを起動してトーク画面を開いた。一番上に表示された丸いアイコンには、薄紅色をした美しい花が縦に連なって咲き誇っている。花はグラジオラスというのだと、先日教えてもらったばかりだ。
アイコン横の『エアグルーヴ』と記された文字をタップする。切り替わった画面には、互い違いに並んだメッセージが表示されていた。

『お疲れ様です。会場は大きな事件もなく、無事に終わりそうです』
『それは何よりだ。こちらも特に問題は起きなかったよ。君もお疲れ様』
『何かお召し上がりになられますか? 希望があれば買ってまいりますが』
『ありがとう。何か冷たいものがあれば食べたいな』

『今、かき氷の屋台に並んでいます。味の希望はありますか?』
『どんな味があるのかな?』
『イチゴ、メロン、レモンとブルーハワイがあります』
『ブルーハワイとは何味なんだ?』
『正直私もよくわかりません』
『それは気になるな。ではブルーハワイで』

『そろそろ到着します。どちらにいらっしゃいますか?』
『海の家にいる。待っているよ』
『了解しました』

もう何度読み返したことだろう。それでも手が勝手にアプリを起動させて、その度に口元が綻んでしまう。
だって、こんな取り留めのない会話を、自分と彼女がしている。以前なら想像もつかなかったことだ。これまでにこの小さな通信機器を通じて自分たちが積み重ねていたものは、業務連絡の山々であったのだから。
(それが、こんな他愛のないやり取りを)
くっと喉の奥が鳴る。耐え切れずに頬が緩んでいく。
マルゼンスキーの言う通りだ。思い返せば、今日は朝から浮足立っていた。それが彼女もであったとは、嬉しい誤算だったけれども。
こんなにも表情の制御が難しいのも、こんなにも想いが溢れてくるのも、自分ひとりでは味わえなかった。もちろん不特定多数の誰かでも叶わない。
ルドルフにとって、その相手は彼女で……エアグルーヴでなければ。
今か今かと待ちわびている己が少し滑稽で、しかし悪くない。寧ろ良い、と思ってしまっている。
良い。彼女の一挙一動に翻弄されるのは、ままならないけれど心地いい。
さざ波が砂をさらい、さらさらと鼓膜を揺らす。胸の奥がこそばゆく、自然と唇から笑声がこぼれた。
ああ、可笑しい。こんな些細なことで心躍っている自分が。

「ルドルフ」
その声ひとつで、舞い上がるほどに喜びを感じている己が。
ルドルフは跳ねる鼓動を鎮めるために一度目を閉じ、それからゆっくりと振り返る。
本当は、そうしても意味がない。どうせまたすぐに跳ね上がってしまうのだから。
「お疲れ様です」
ほら、やはり。
夜の帳の下、淡く微笑む彼女はとても綺麗だ。
「エアグルーヴ、君もお疲れ」
既にメッセージで伝え合ったはずの労いを、またお互いが繰り返す。それが可笑しくてくすりと笑みをこぼすと、怪訝そうに小首を傾げられた。
ルドルフは立ったままの彼女を手招く。階段の砂を払い、上着のポケットからハンドタオルを取り出して横に敷いた。
促すと、彼女は僅かに躊躇いつつも隣へと腰を下ろした。こちらはジャージだからと折り合いをつけたのだろう。彼女の装いは、砂で汚しては勿体ない代物だ。
「今年は浴衣で参加したのだな。君の雰囲気によく似合っているよ」
「あ……ありがとう、ございます……」
猫のような瞳を見開き、それからぱっと逸らされる。月明かりだけが頼りの視界で、それでも夜闇に浮かぶほどに白いかんばせが赤く色づいたのがわかった。
白磁の肌に散る桜色が、美しい彼女を愛らしく彩る。余裕を装った笑みを刷く口元とは裏腹に、心臓はととと、と落ち着きなく駆け出していた。尻尾を腿で押さえていることは気付かれていないと思いたい。
振り向いた瞬間から、エアグルーヴから目が離せなくなっていた。
まさしく錦上添花(きんじょうてんか)。海のように深い群青の浴衣に、陽光の如く鮮やかな黄色の帯。彼女の勝負服を彷彿とさせる色合いは、非常によく似合っている。生地のなかで咲き誇る白い花々も楚々としていて美しい。その花たちの名も、きっとエアグルーヴは把握しているのだろう。
胸に湧いた賛美全てを言い連ねようと口を開いて、けれどずいと真っ青な色の氷菓を差し出されて叶わなかった。強引に言葉を遮られ、ルドルフは苦笑いする。もっとその仙姿玉質(せんしぎょくしつ)の美しさを賞賛したいというのに。
「ありがとう。これがブルーハワイ味か。名前の通り真っ青だね」
代わりに礼を言ってかき氷を受け取った。白い容器に小山を作った青い氷には、プラスチックのストローが深々と突き刺さっている。
吸うのだろうかと首を傾げれば、横から「先がスプーンになっていて、それですくって食べます」と解説が飛んできた。流石は我が右腕。疑問を口にする前に答えが返ってくる。
もう一度礼を言えば、エアグルーヴは淡く微笑んだ。彼女の感情に応じて揺れる耳からしゃら、と澄んだ音が聞こえる。普段付けている耳飾りすら、いつも以上に輝いて見えるのだから不思議だ。
「それにしても、ルドルフもいい加減、夏祭りに参加しては如何ですか? そう毎年遠慮することもないと思いますが……」
「いや、いいんだ。折角の楽しい祭りだというのに、私が参加してしまっては生徒たちを委縮させてしまう。彼女たちが存分に羽を伸ばして英気を養ってくれた方が、私は嬉しいからね」
そう首を横に振れば、あからさまに呆れられた。彼女は存外、その涼やかな容姿に豊かな表情を乗せて意思を訴えてくる。
「まったく……そういうところは本当に頑ななんですから……」
苛立たしげにしゃくしゃくと黄色いかき氷(おそらくレモン味だろう)をつつく姿に、ルドルフは乾いた笑みを返す。
「まぁ、それが私の性分というやつだ。それに君やブライアンたちのように、私を気遣ってくれる者がこんなにもいる。私は充分すぎるほど恵まれているよ」
取り繕うためではなく本心から告げれば、怪訝そうな視線を向けられた。ルドルフは脇に置いた袋からりんご飴を取り出して、フジキセキからだとエアグルーヴに差し出してみせる。
それでこの逢瀬に気付かれていると瞬時に察したらしい。彼女は顔を真っ赤にしながらりんご飴を受け取り、恨みがましくフジキセキの名を呼んだ。
照れを通り越して憤る彼女を宥めながら、ルドルフは教えてもらった通りにストローでかき氷をすくう。口に含めば細かな氷の粒がみるみるうちに溶けて、爽やかだが強い甘みが舌に残った。
確かにこれは何味かよくわからない。だが氷が冷たくて気持ちがいい。
「……でしたら、私のお願いを聞いてはくれませんか?」
小さなスプーンで何度も口に運びながら青いシロップの味を分析していると、ふいに声を掛けられた。
顔を向けると、少し俯いた線の細い横顔がそこにあった。肩口で切り揃えられた髪が前に下がり、抜かれた襟の隙間から白い項が覗く。
無意識にこくりと息を呑んでしまい、慌てて視線を引き剥がした。目に毒だ。不規則に乱れる鼓動を誤魔化すように、ルドルフは口を開く。
「ああ、もちろん。何でも気兼ねなく言ってほしい」
「再来月に、千葉の方で秋祭りがあります。そのお祭りに、私と共に行ってほしいのです」
そうして聞いた彼女の願いは、想定もしていなかった類のものであった。
目を見開いて固まっている間にも、エアグルーヴはぽつぽつと願いごとを続ける。
「今度は、あなたと一緒に楽しみたい、ので……その……あなたの、恋人として……」
段々と尻すぼみになっていく言葉。しなしなと垂れ下がってく耳に、心許なく揺れる尻尾。雪のような肌は見る見るうちに朱に染まっていった。
ルドルフは、思わず口元を手で覆う。とめどなく溢れ出てくる感情に、どんな表情を浮かべていいのか一瞬にしてわからなくなってしまったのだ。
エアグルーヴの気遣いが申し訳なくも嬉しい。それを失念していた自分が不甲斐なさ過ぎて情けない。
祭りに誘うべきであった。そのことを、彼女に言われるまで思い至れなかった。もしかしたら今年は浴衣を着た理由も、とよぎった推測に更に自己嫌悪の嵐に襲われる。
そして、そして何より。
彼女の全てが、今、泣きたくなるほどに愛おしい。全身が打ち震えるほど、こんなにも強い感情をただひとりに対して抱いたのは、生まれてはじめてだった。
参ったな、と胸の内で呟く。お互いに手が塞がっていなければ、今すぐにでも両手を広げて抱きしめたいのに。
ちらりと不安げな視線が己に注がれる。そういえば返事をしていなかったと気付いて、ルドルフは慌てて顔を上げた。
結局浮かべた表情は、照れまじりに眉を下げた、何とも情けない微笑みだった。
「願ってもないお願いだよ。こちらこそ、是非とも君と一緒に祭りを巡りたい。……いや、祭りと言わず、君となら何処へでも」
そうして、心からの言葉を告げる。強く想いを込めてじっと見つめれば、エアグルーヴは安堵したようにふわりと柔らかな笑みを咲かせた。
「ありがとうございます」
礼を言われ、ルドルフは苦笑いをこぼす。礼を言うのも謝るのも、寧ろこちらの方だ。
「いや……気付かなくて、本当にすまなかった」
「性分なのでしょう? それも含めてあなたなのだと、初めから存じています」
そう言われてしまえばぐうの音も出ない。普段の怜悧な表情に戻ったエアグルーヴに、いやはや敵わないな、とかき氷をつつく。
けれど氷を削って口を開いたその時、急に彼女がくすくすと笑い出した。
「やはりそうなりましたね」
「エアグルーヴ?」
何がツボに触れたのかわからず疑問符を浮かべていると、エアグルーヴは手首に下げた巾着から手鏡を取り出した。
「自分の舌をよく見てください」
その言葉に素直に従って、うわっと思わず声が出てしまった。
「……な、何だこれは?」
「かき氷を食べると、シロップの色がそのまま舌につくんですよ」
「ならば君も?」
「ええ。レモン味なので、青よりも目立ちませんが」
言いながら舌を出してみせる。確かに自分の青よりかは目立たないが、普段は赤いはずの舌ははっきりとした黄色に染まっていた。
パンの色付け程度の着色料の量では、なかなかこうはならない。これはすごいなとエアグルーヴと自分の舌を交互に見ていたルドルフは、ふと閃く。同時に好奇心が頭をもたげた。
そしてそれは、口実として実に丁度良かった。
「エアグルーヴ」
「はい、何で──」
音もなく近付いて、ルドルフはその言葉ごと甘い呼気を飲み込んだ。
びくりと肩が大きく跳ねたのが触れた先から伝わってくる。ふ、と息の漏れる音が耳朶を震わせた刹那、ひゅううと笛の音に似た音が耳に届いた。
夏祭りの最後には花火が上がる。そのことを思い出して、かき氷を置いて彼女の長い耳をそっと両手で塞いだ。
間を置かずにどん、と大きな音と共に空が明るくなる。上空では大輪の花が咲いているのだろう。
ぱらぱらぱら……と花火の散る音が聞こえたところで、ルドルフはようやく唇を離した。
「……流石に合わせるだけでは混ざらないか」
「い、きなり、何をするんですかあなたは……っ!」
苦笑まじりにそう言えば、眉を吊り上げたエアグルーヴにきっ、と睨まれる。花火に照らされたそのその顔色は、これ以上ないほど真っ赤に熟れていた。
「少々興味が湧いたものだから、つい。何より君にキスをしたかったから」
機会を窺っていたんだと素直に白状すれば、言葉にならないのかぱくぱくと口を開閉させたのちに顔を逸らされてしまった。若干涙目になっている姿がとても可愛らしい。そう言ったら怒るだろうか。
その表情を見てもう一度口付けたい衝動に駆られる。だが、やはりそれも怒られそうだと思いぐっと堪えた。万が一かき氷がこぼれて浴衣にでもついたら大惨事だ。
横に置いたかき氷を持って再び食べ進める。もうルドルフが迫って来ないとわかった彼女も、少々警戒しながらも残りを食べ始めた。
しばらく無言で氷の山を崩しながら、打ち上がる花火を眺めていた。
赤から金、青から緑へと、数多の火花が刹那に輝いては散っていく。菊の花の如く大輪の花を咲かせるものもあれば、柳のようにしなだれていくもの、蜂のように小さな火花がくるくると旋回していくものもあり、そのどれもが美しい。
その刹那的な輝きに、たった数分に全てを駆けて走るレースと似たものをルドルフは感じた。一瞬を魅せるために丹精込めて緻密に組み上げられた尺玉と、栄誉ある冠を戴くためにひたすらに鍛錬を積む自分たち。そこに何の違いがあるだろう。
そんなことを考えながらストローをつつき、じゃぶ、とやたら水っぽい音が聞こえて視線を落とす。どうやら食べ方が遅かったらしい。小山だったはずのかき氷は、気付けば底に鮮やかな水たまりを作っていた。
「……色を混ぜたいのでしたら、これが一番効率がいいですよ」
最終的にこれを飲まなければいけなくなるのだろうか。そんなことを考えていると、ふいにエアグルーヴが自分のかき氷を差し出してきた。
ずいと迫ってくるストローに一瞬面食らう。首を巡らせれば、エアグルーヴが睨むようにして早く食べろと促していた。
ルドルフは苦笑いをこぼし、甘んじてそれをいただく。レモン味だというそれは、少々酸味はあるがブルーハワイとさほど変わらない味のように思えた。
シロップとはそういうものなのだろうか。思案しながらすっと顔を引いてストローを離す。少々大きめの氷の粒を歯で砕けば、かりこりと小気味いい音が響いた。
「どうだろう、エア──っ?」
グルーヴ。続けようとした名は、彼女自身によって奪われてしまった。
ひやりと冷たい、柔らかなものが口の中に入ってくる。それが彼女の舌だと気付き、今度はルドルフの方が驚きに肩を震わせた。
次々と花火が打ち上がっていく音がする。ちかちかと短い間隔で明滅する光と音のみで咲き乱れている花々を認識しながら、翻弄されるままにぬるくなった甘露を飲み込んだ。
は、と互いの吐息が顎のあたりで砕ける。ゆっくりと離れていったエアグルーヴは、頬を染めながらも不敵に微笑んでいた。
「……これで混ざりましたね」
「君は……負けず嫌いだな、本当に」
綺麗な弧を描く濡れた唇が、何とも蠱惑的だ。目眩を覚えて口元に手の甲を押し当てる。顔が熱い。のぼせそうだ。
ちろりと見せつけられた小さな舌があまりにも煽情的で、目を逸らすことができない。その言葉通り黄色と青はその上でしっかりと混ざり合っていて、方法自体は間違っていなかったのだなと場違いなことを考えた。そうして気を散らさないと雑念が湧いて仕方なかった。
彼女は時々、とんでもない方法でこちらを煽りに煽ってくる。
大胆不敵なその性質は彼女の長所ではあるのだが。こういった意味で翻弄されるというのも決して悪くはないのだが。
見事な緑色に変わった舌が、形のいい唇の奥へと仕舞われる。そこでようやく視線を剥がせた。
ルドルフは深くため息をつく。返り討ちに遭ってしまった。
やり返したい気持ちは大いにあるが、どうにも難しそうだ。主にリスク的な面において。
今は合宿中であり、夏祭りを締めくくる打ち上げ花火も終わった。これから祭りから戻ってくる生徒たちが、大勢ここを通ることだろう。
目撃されるのは回避したい。そのくらいの分別は当然残っていた。
反撃を早々に諦めて、ルドルフは肩の力を抜いた。自分の舌も、彼女と同じ色に変わっているのだろうか。
きっとそうなのだろうなと思い、ふと目をしばたかせた。
そうか、と思った。
思ってしまった。
──彼女の色が混ざると、私の色になるのか。
そんなくだらないことに、そうか、と納得を。
本当にくだらない。けれど今、それが世紀の大発見ほどの衝撃をルドルフに与えていた。
何とも恐ろしい。恋とはこれほどまでに盲目的に、非理論的な思考に陥るものなのか。
緑をモチーフにした勝負服など、数多に存在する。勝負服にこだわらなければそれこそ星の数ほどに。
だというのに、その小さな舌を染めた深い緑色は、己だと。
そのように彼女を染め上げるのは、自分だけであるべきだと。
そう、愚かなほどに強く、ルドルフは思ってしまった。
「──お言葉ですが、」
始末に負えないな、と心の中でほろ苦く笑っていると、眼前の笑みに凄みが増した。冬の薄い空色にも透き通った灰色にも見える双眸がきらりと閃いて、また目が離せなくなる。
──ああ、彼女と走りたいな。
本能にごく近い衝動がぞくりと背筋を駆け巡った。
「この学園に、負けることが好きな生徒などいないかと」
そうして勝気な眼差しで告げられた言葉に、きょとんとまばたきを数度。
その台詞を飲み込んだルドルフは、たまらずに吹き出した。
「違いない」
その通りだ。何といったって、学園の代表である生徒会長が人一倍負けず嫌いなのだから。
くすくすと笑いながら、滑らかな白い頬を意図的に撫でる。途端、強気だった表情が一転して困惑に揺れた。
「ルドルフ、これ以上は……」
「もう一度だけ」
身を引くエアグルーヴからさらに距離を詰める。目元からじわりと朱が染め広がる様を、ルドルフは満足げに見つめながらそう囁いた。
きっとそれが限度で、それくらいなら大丈夫だ。理想を掴むために培った頭脳を今ばかりは私情まみれに利用して、もう一度だけだと強請ってみせる。
潮騒の音のみが響く海辺。静寂が降り注ぐ中で、エアグルーヴの瞳が熱を帯びてくゆっていく。覗き込むようにして近付けば、同じような眼をした自分が映っていた。
懇願するように親指の腹で頬をこすれば、美しい薄青の双眸がゆっくりと閉じられる。
どちらともなく重ね合った唇は、互いの温度ですっかり熱くなっていた。




あとがき
ルドルフの生徒たちと仲良くなりたいけど自分は四角四面でつまらないし怖がられるからって距離を取ってる姿を見る度に彼女があまりにも器用に不器用で会長ぉぉぉ…!!ってなっております。威圧感や堅苦しさのせいで生徒たちから怖がられていると思ってたり遠巻きにされることを気に病んだり肝試しをしている生徒たちに自分が混ざっては困るからって遠慮したり……だからダジャレでみんなと打ち解けようと頑張る会長ぉぉぉ…!!
そういうところにエアグルーヴは気付いて色々世話を焼いていたらいいなと思うし、そういうことには全然気づかないでただカイチョーと一緒にいたいテイオーがみんなの輪の中へ引っ張っていく姿があったらいいなと思います。幼い頃からそしてこれからも帝道を歩み続けるだろうルドルフだからこそ皆を通じて年相応な経験を沢山してほしい…。

アプリ版の夏合宿、二か月間みっちり合宿所でトレーニングするんですよねトレセン学園。夏休みまるっと合宿はめちゃくちゃヘビーだな…と思いますが、ある意味夏休み中ずっとみんなが仲良くわいわいしてるんだなって思うとすごく微笑ましいなと思います。いやトレーニングはものすごくハードなんだろうけど。でも自由時間で肝試ししたり夏祭りに言ったり海の家でご飯食べたり時には海で遊んだり森の中で昆虫採集したり捕まえたりウツボ狩って油にどーん!!したりしてみんなでワイワイやっててほしい。遊び道具は大体ゴルシかナカヤマが持ってきてるから大丈夫。生徒会に没収されない限り大丈夫大丈夫。

〜ゴルシ特製焼きそば(夏祭り仕様)ラインナップ(☆三種はアプリ版その他ねつ造)〜
☆甘辛焼きそば揚げ玉マシマシ明太子マヨネーズ爆盛り
☆ハバネロと鷹の爪マシマシ激辛ディアボロ焼きそば
・はちみつマシマシふわふわ卵盛り甘々焼きそば
・ゴルシちゃんの気まぐれ秒替わりロシアン焼きそば
☆キャベツなしソースなし麺マシマシ(ジョーダン限定)



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